craft8 の計算を
すべて載せています

SKU(Stock Keeping Unit、在庫管理上の最小単位)ごとの着地原価、貢献利益、損益分岐ROAS(Return on Ad Spend、広告費に対する売上の倍率)、値引きと値上げの境界線、為替と関税のシナリオ。craft8 がどう計算しているかを順に載せています。数字の出どころを確かめてから判断してください。

2026年9月時点の計算方法です。変更した場合は、このページに日付と内容を記載します。

01 / 着地原価

SKU 1点あたりの
着地原価まで積み上げる

円建ての仕入価格は仕入日のレートで確定します。運賃と通関費用は重量と容積でSKUに按分します。関税は通関書類に記載された実額を使います。書類が届く前は HTS(Harmonized Tariff Schedule、米国の関税分類)ごとの税率で推定し、推定であることを表示します。ここまでが着地原価です。そこからUS国内配送、3PL(3rd Party Logistics、物流委託先)のピック/パック、決済手数料、返品を引いたものが CM1。さらに広告費を引いたものが CM2 です。欠品を避けて航空便に切り替えたロットは運賃が数倍になります。craft8 は輸入書類から入荷ごとにロットを作り、原価をロット単位で分けて持ちます。だから、その差が損益にどう出たかまで辿れます。

  • ✓SKU別の CM1 と CM2
  • ✓海上便・航空便をロット単位で分けて原価計上
  • ✓為替による増減を損益から切り分け
  • ✓輸入書類からロットを作成してロット台帳で管理
  • ✓3PL請求書と輸入書類の金額を入力画面で確定
  • ✓関税は通関書類の実額で計上
US事業の損益(今月) 2026/09
US純売上高(Net sales)$128,400
着地原価 / 売上原価(仕入日レート)−$44,900
着地原価 / 海上・航空運賃・通関−$6,180
着地原価 / 関税(HTS 3304.99)−$8,220
US国内配送(お客様への送料)−$7,700
3PL ピック/パック・保管−$4,900
決済手数料・返品処理−$4,110
貢献利益 CM1(対純売上高比 40.8%)$52,390
広告費−$31,200
貢献利益 CM2(対純売上高比 16.5%)$21,190
02 / なぜ貢献利益なのか

貢献利益は
次のロットを買える金額です

貢献利益(Contribution Margin)とは、注文を受けてから商品がお客様に届くまでに発生する変動費を、すべて売上から差し引いた金額です。家賃も人件費も注文が1件増えても変わりません。注文ごとに変わるのはこの金額だけです。だからどの商品を押すか、いくらで売るか、次にいくつ仕入れるか。注文単位の判断は貢献利益でしか決められません。率ではなく金額で見るのは、仕入に回せるのが金額だからです。対純売上高比が高くても、金額が小さければ次のロットは買えません。

計算の順序
純売上高(Net sales)
− 売上原価(Cost of goods sold)
− 輸入・物流・決済の5費目
= CM1(Contribution Margin 1)
− 広告費
= CM2(Contribution Margin 2)
2つを分ける理由

CM1 は商品の話

運賃、関税、US国内配送、3PL、決済と返品まで引いた段階です。商品そのものが成立しているかが分かります。広告をどう按分しても動きません。

CM2 は集客まで含めた話

CM1 から広告費を引いた、実際に手元に残る金額です。商品は成立していても、獲得コストが高すぎれば残りません。

商品A(小さい・軽い・返品が少ない)
純売上高$40,000
売上原価−$14,000
売上総利益(65.0%)$26,000
輸入・物流・決済の5費目−$6,200
貢献利益 CM1$19,800
広告費−$7,000
貢献利益 CM2$12,800
次のロットに回せる金額
商品B(かさばる・重い・返品が多い)
純売上高$40,000
売上原価−$14,000
売上総利益(65.0%)$26,000
輸入・物流・決済の5費目−$17,000
貢献利益 CM1$9,000
広告費−$7,000
貢献利益 CM2$2,000
次のロットには$2,000しか回せない

売上も売上総利益率も同じ2商品。
それでも手元に残る金額は 6.4倍 違います。

CM1 は商品そのものが成立しているかを示します。CM2 は集客まで含めて成立しているかを示します。CM1 が薄い商品は、広告を止めても構造は直りません。CM1 が厚いのに CM2 が薄い商品は、集客のやり方だけを変えれば戻ります。どちらを直すべきかは、2つを分けて初めて分かります。

03 / 損益分岐ROAS

いくつを下回ると
赤字になるのか

CM1が純売上高の何%にあたるかが分かれば、損益分岐ROASはその逆数です。CM1 対純売上高比が10.1%しかないSKUは、ROASが9.91を超えないと赤字です。広告の按分をどう決めても、この数字は動きません。予測ではなく割り算です。craft8 はこれをSKUごとに出して実際のROASと並べます。ロットが変わるたびに分岐点も動くため、着荷のたびに引き直します。

  • ✓SKUごとの損益分岐ROASと実際のROAS
  • ✓赤字で回っているSKUと月あたりの損失額
  • ✓目標利益額から逆算した目標ROAS
  • ✓ロットと為替が変わるたびに再計算
SKU別 損益分岐ROAS 2026/09
SKU CM1 対純売上高比 分岐点 実際
SK-MASK-05 10.1% 9.91 4.79
SK-SERUM-30 42.1% 2.38 5.52
SK-CREAM-50 36.4% 2.75 5.75
SK-MASK-05 は損益分岐ROAS 9.91 に対して実際は4.79。CM2 は月 −$4,594 です
04 / 損益が変わらない境界線

20%OFFで元を取るには
数量が1.9倍必要です

craft8 は値上げも値引きも勧めません。出すのは損益が変わらない境界線だけです。CM1 対純売上高比が42.1%の商品に20%の値引きをかけると、元の貢献利益額に戻すには数量が1.90倍必要になります。36.4%の商品なら2.22倍。10.1%の商品では、20%の値引きは何個売っても損です。数量が実際にどう動くかは自社のほうがよくご存じです。craft8 が出すのは、その判断に必要な境界線です。

20%OFF で元の貢献利益に戻すには
SK-SERUM-30(CM1 対純売上高比 42.1%)数量 1.90倍
SK-CREAM-50(CM1 対純売上高比 36.4%)数量 2.22倍
SK-MASK-05(CM1 対純売上高比 10.1%)成立しない
値引き率がCM1 対純売上高比を超えたら何個でも損
一律セールの前に、CM1 対純売上高比が値引き率を下回る商品を外す
5%値上げして損にならない範囲
SK-MASK-05(CM1 対純売上高比 10.1%)−33%まで
SK-CREAM-50(CM1 対純売上高比 36.4%)−12%まで
SK-SERUM-30(CM1 対純売上高比 42.1%)−11%まで
CM1 対純売上高比が低い商品ほど余裕は大きい
数量が何%落ちたら損になるか、という形で出します

値引きも値上げも「すべき」とは言いません。
変わる手前の線だけを出します。

SKU CM1
対純売上高比
10%OFF に必要な数量 20%OFF に必要な数量 +5%値上げで許容できる数量減
SK-MASK-05 10.1% 107倍 成立しない −33%
SK-CREAM-50 36.4% 1.38倍 2.22倍 −12%
SK-SERUM-30 42.1% 1.31倍 1.90倍 −11%

※ CM1 対純売上高比を m とすると、値引き側は m÷(m−値引き率)、値上げ側は 値上げ率÷(m+値上げ率)。いずれも1個あたりの変動費が変わらない前提です。

境界線はあくまで数量だけの話です。値上げすればコンバージョン率は下がり、獲得単価は上がります。同梱される商品が変われば1注文あたりの構成も変わります。実際に達成するROASも動きます。craft8 が計算しているのは損益分岐ROASのほうで、実際に出るROASは計算していません。この2つを混同すると判断を誤ります。境界線を見て、自社の実感と照らし合わせて決めてください。

05 / 前提が動いたとき

関税率が変わった日に
どのSKUが赤字になるか

損益分岐ROASは、自社が何もしていなくても動きます。為替が動けば動き、税率が変われば動きます。どちらも自社では決められない前提です。表計算で一度出すことはできます。難しいのは、前提が動いた日にすべてのSKUを引き直すことです。

為替による変化 / BY FX RATE
130円/ドル2.59
140円/ドル2.44
150円/ドル2.33
160円/ドル2.24
170円/ドル2.16

同じ商品の損益分岐ROAS。仕入日のレートが変われば必要な広告効率も変わります。

関税率による変化 / BY DUTY RATE
0%2.17
5%2.23
10%2.30
12.5%2.33
20%2.44

分類変更や制度変更で税率が動けば目標ROASの前提そのものが変わります。

HTS 3304.99 の実効税率が 12.5% から 20% に変わった日
影響を受けるSKU14件
CM1 対純売上高比42.9% → 41.1%(−1.9pt)
損益分岐ROAS2.33 → 2.44
実ROASが2.33以上2.44未満で回っていたSKU赤字に反転
全SKUの再計算新しい税率を入れた時点

税率が動いた日に、どのSKUがどちら側に回ったかが分かるかどうか。ここが表計算との差です。新しい税率を一度入れれば全SKUを引き直します。craft8 が提供するのは分析レポートではなく、前提が動いても正しいままの数字です。過去のロットは当時の税率のまま残すため、遡って上書きされることもありません。

変更履歴
2026年9月初版を公開

計算式はここに全部あります。足りないのは自社の数字だけです。

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